認知症のお母さまをずっと、在宅で介護されていた娘様がいらっしゃいました。
やがてお母さまの認知症は進行し、担当のケアマネージャーから見ても、もう在宅での家族介護は厳しい状況になっていました。
片時も目を離せないお母さまの介護で、娘様は かなり疲れ切っていらっしゃいました。
限界が近いことは明らかでした。
それでも娘様は「私を大切に育ててくれた母を施設に入れるような親不孝はできればしたくありません。もう少しだけ頑張ってみます」とお話され、見学には来られたものの入居は決断されませんでした。
ご家族様から「施設に入居させることは親不孝」という言葉をお聞きすることは少なくありません。
介護を続けてこられたご家族様に「いいえ、そんなことはありません」とお伝えすることは、今までのご家族様のご努力や、その想いを否定することになるのではないか?そんなことを考えてしまいます。
確かに家族を施設に入居させることは、一般的ではなかったと思われていた時代が、何十年も前にはあったかもしれません。でも今は決してそうではありません。
お母さまの介護を続けていた娘様は、お母さまが深夜に階段から転落され入院されたのをきっかけに、入居を決断されました。
入居の日、娘様はお帰りになる時に、車椅子のお母さまに何度も手を振りながら、悲しい顔をされていたのを覚えています。
あれから3か月。
(感染対策をしたうえで)面会の日、
お二人の明るい笑い声がフロアに響きました。
事務所に寄られた娘様は私たちにこう言ってくださいました。
「今思うと、もっとはやく入居させてあげればよかったかもしれません」
私たちは「親孝行ができた」とご家族様に思っていただけるように努力しています。
繰り返しますが施設にご入居いただいくことは決して親不幸などではないと私たちは思います。
これまでにたくさんのゲスト様、ご家族様からそのことを教えていただきました。
何でもない毎日を、楽しく過ごしていただけるように、これからも全力でサポートさせていただきます。
そして、これからもご家族様が、ゲスト様が笑顔を取り戻せる施設であり続けたいと思っています。
在宅で介護されている方、ご両親様の介護度や認知症の症状が進まれていると感じられている方、一度、ぜひ私たちの施設にご相談ください。
入居を無理強いすることは絶対にありません。
まずは先入観を持たずにぜひ私たちの施設にお問い合わせください。